- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/11/15
- メディア: 文庫
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華やかな「幻惑の...」に比べてかなり地味な事件を扱っているのはわざとだと思う。おまけに中盤は事件としての進展があまりなく、半分「普通の小説」になる感じ。私は割と楽しかったが、森流の小説展開が合わない人にはこの中盤が退屈かも。
終盤はあざやかに謎が解き明かされる。真相(というかトリック)はかなり意外だった(どう意外だったかは秘す)。真相が明らかになるシーンはgood。気に入った。最後の最後は賛否両論だと思うが、私はこうしなくてもよかったような気がする。「そして二人だけになった」で感じたのと同種のひっかかりを少し感じた。
読んだあとでWebのネタバレ書評をのぞいて知ったのだが、「幻惑の...」との両方を読んで初めて意味のわかる部分もあるようだ。よく考えられているものである。次に読む時は、2冊を交互に1章から順に読んでいくとおもしろいかもしれない。しないと思うけど。