- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/04/03
- メディア: 文庫
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私は1度だけバレエの舞台に出演したことがある。友人のお父さんが主宰されているバレエ団の公演でのエキストラ。「神様」の役で、男十数人が上半身裸・下はジーンズという格好でただ立っている中の1人だった。
美貌のバレリーナが男を殺したのは、ほんとうに正当防衛だったのか? 完璧な踊りを求めて一途にけいこに励む高柳バレエ団のプリマたち。美女たちの世界に迷い込んだ男は死体になっていた。若き敏腕刑事・加賀恭一郎は浅岡未緒に魅かれ、事件の真相に肉迫する。華やかな舞台の裏の哀しいダンサーの悲恋物語。
「卒業」に続いて加賀恭一郎が登場。この作品ではすでに教師をやめて刑事になっている。
被害者の行動の理由がわからないまま物語は進む。相変わらずよく考えられたストーリーだったし、味つけの効いたトリックだった。こういう味つけ(何のことかは秘す)なら納得して読めるのである。
バレエ業界というのは実際に厳しいところなのだろうと思うが、こんなに閉鎖的な世界なのだろうか。登場人物に感情移入しながら読んでいくと、「どうかそうであってくれるな」と思っていたことが真相として浮かび上がってきた。この恋物語にその後の展開はあるのか。
作品とは関係ないが、上記紹介文には「プリマたち」と書いてある。プリマ(プリマドンナ)はバレエ団に1人しかいないんじゃないのか?