
- 作者: 麻耶雄嵩
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/07/13
- メディア: 文庫
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首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人……。京都近郊に建つヨーロッパ中世の古城と見粉うばかりの館・蒼鴉城を「私」が訪れた時、惨劇はすでに始まっていた。2人の名探偵の火花散る対決の行方は。そして迎える壮絶な結末。島田荘司、綾辻行人、法月綸太郎、三氏の圧倒的賛辞を受けた著者のデビュー作。
好き嫌いはともかくとして、すごい作品だった。デビュー作でいきなりこれか。前に読んだ「蛍」は「麻耶雄嵩らしからぬ作品」だと聞いていたが、確かに「蛍」とは全く違う。好きか嫌いかと聞かれたら「ビミョー」と答えるしかないが、圧倒されたことは確か。
紹介文にあるように「首なし死体、密室、...」と推理小説の要素が満載であり、キリスト教やクラシックを中心としたウンチクの数々(私の苦手な分野ばかり)が語られ、事件の方は複数の探偵によって結論が二転三転。「真相がわかった割にはページがたくさん残ってるな」と思ったら...。
「虚無への供物」とこれを読んだことによって、アンチミステリーとかメタミステリーというのがどういうものか少しわかった気がする。全体が「黒死館殺人事件」のパロディになっているらしいので、そっちを先に読んだ方がよかったかもしれないな。大変そうだが。