- 作者: 乾くるみ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/11/01
- メディア: 文庫
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もし、現在の記憶を持ったまま十カ月前の自分に戻れるとしたら――。この夢のような「リピート」に成功し、人生の「やり直し」に臨もうとしている、年齢も職業もバラバラの十人の男女。彼らは一人、また一人と、次々と不審な死を遂げていきます。誰が「リピーター」を殺しているのか?
家族にも警察にも相談できないまま、独自の捜査を行う彼らが辿りついた衝撃の真相とは――。ミステリ界の鬼才が、永遠の名作『リプレイ』+『そして誰もいなくなった』に挑んだ傑作の登場です。
SFミステリー。過去が繰り返されるという設定は「七回死んだ男」に少し似ているが、話の内容はまるで違う。上記の「リプレイ」はケン・グリムウッドの小説(こっちは読んだことがない)。
10ヶ月前の自分に戻れるというのも、いいこと(競馬で儲けられるとか)ばかりではなくて結構大変である。それに、やり直しがきくということになると人の死に対する倫理観まで変わってしまう。
リピートに挑むプロセスがていねいに描かれていて、それにまつわるドタバタがまたおもしろい。「リピーター」たちの連続死の真相には驚愕。もう少し推理のプロセスを見せてくれるとよかったが。そして暗黒のラストにまた衝撃を受ける。ちょっと長め(文庫版で約500ページ)だがサクサクと読めるオススメの作品。