全脳自由帳

より考えるために書く

イニシエーション・ラブ(乾くるみ)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

「普通の恋愛小説のように見えるが、最後に大どんでん返しがある」と聞いていたので、そのつもりで読み進める。しかし本当にどう考えても普通の恋愛小説。この話をどうひっくり返すんだろうと思っていたら、ラストを読んでひっくり返った。

最後の方を読んでいたのは夜遅くだったので、読み終えたらすぐ寝ようと思っていたのに、このどんでん返しのおかげでもう一度読み返すハメに。さらに気になって、ネタバレ解説をしているページを検索して読むハメに。次の日は寝不足。

我ながら、何かあるとわかっていながら何も考えずに読んでるなあ。その方が楽しいが。

作品の舞台は1987年ごろ。登場人物は私とあまり変わらない年代だということになるので、時代背景や当時の若者の心情はよく理解できた。名前から作者は女性かと思っていたが、それにしては男の心理がちゃんと書けているなあと思って調べてみたら、男だった。