最近新書を割と多く読んでいるので、めぼしいものについてはここに簡単に書いていくことにする。
なぜ人を殺してはいけないのか―新しい倫理学のために (新書y (010))
- 作者: 小浜逸郎
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2000/07
- メディア: 新書
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- 第1問 人は何のために生きるのか
- 第2問 自殺は許されない行為か
- 第3問 「私」とは何か、「自分」とは何か
- 第4問 人を愛するとはどういうことか
- 第5問 不倫は許されない行為か
- 第6問 売春(買春)は悪か
- 第7問 他人に迷惑をかけなければ何をやってもよいのか
- 第8問 なぜ人を殺してはいけないのか
- 第9問 死刑は廃止すべきか
- 第10問 戦争責任をどう負うべきか
これらに真正面から向かっているのだが、必ずしも直接的な「答」を出そうとしているわけではない(簡単に答が出るわけもないが)。その問いが発せられた動機を考え、本当に答えるべき問いに変換する、ということもやっている。「答」よりもどういうふうに考えるべきかを書こうとした本である。
第1,2,8問あたりは、こういう問題を論理的に考えるとどうなるかが示されていて勉強になった。対して第3問は問題が抽象的すぎて、第10問は逆に具体的すぎて今ひとつピンとこなかった。
それにしても、各問の考察を読むにつけ、我々は共同体の中で生きていること、人生の諸問題を考える上でまわりの人との関係というのは最も重要なファクターだということを痛感するのであった。