全脳自由帳

より考えるために書く

「寝だめ」ではダメなことはわかっているのだが

普段の寝不足、休日に補えません−。休みの日に遅くまで寝ている人ほど、不眠や抑うつを訴える割合の高いことが17日、働く人を対象とする内村直尚久留米大助教授(精神神経学)の調査で分かった。平日の睡眠時間の短さは、抑うつと強く関連していた。
助教授は「時間が不規則だと熟睡感が得られない。良い睡眠のためにはできるだけいつも同じ時間に起きることが重要」としている。
調査は昨年12月、首都圏の35〜59歳の勤労者約9000人を対象にインターネットで実施、約6000人から有効回答を得た。
それによると、平均睡眠時間は平日6.1時間、休日7.3時間。休日の起床時間が平日より2時間未満遅い人が不眠を自覚する割合は25.9%なのに対し、2〜3時間で29.4%、3時間以上で33.3%と、平日との差が大きいほど不眠の人が多かった。
抑うつ経験も、2時間未満4.3%、2〜3時間5.2%、3時間以上6.2%となった。

時事ドットコム: 「休日に寝だめ」は逆効果=平日差大きいほど不眠、抑うつ−働く人の睡眠調査

うさんくさい記事。「『休日に寝だめ』は逆効果」というタイトル、おかしくないか?

平日と休日の睡眠パターンを以下の4種類に分けてみる。

  1. 平日に十分な睡眠時間をとり、休日も同じ時刻に起きる
  2. 平日に十分な睡眠時間をとり、休日は平日より遅くまで寝る
  3. 平日に十分な睡眠時間をとれず、休日も同じ時刻に起きる
  4. 平日に十分な睡眠時間をとれず、休日は平日より遅くまで寝る(寝だめ)

「逆効果」という言葉は普通、「よかれと思ってやったことが害になる」という意味で使う。したがって「『休日に寝だめ』は逆効果」というからには、3.と4.を比較して「平日の睡眠が足りないからといって休日に遅くまで寝ているのは逆効果です。眠くても平日と同じ時刻に起きましょう」という話かと思ったのだが、本文を読むとどうもそうは読めず、1.と4.を比較して1.がよいと言っているように思える。

私も含めて「寝だめ」をする人は、忙しくて平日になかなか寝る時間がとれないからそうしているのである。「できるだけいつも同じ時間に起きることが重要」と言われても、休日にまで早起きして3.にすると慢性的な睡眠不足になる。それに対してこの記事は結局「寝だめ」がどうこうではなく、「平日によく寝ましょう」と言っているに過ぎない。そんなことは重々わかっているのである。なんか神経を逆なでされる記事であった。