全脳自由帳

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

姑獲鳥の夏(京極夏彦)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

ミステリーを頻繁に読むようになってから、リアル本屋で本を物色する時にいつも気になるのが「京極弁当箱シリーズ」だった。文庫本としては常識はずれなほどに厚い本がデデンデンと並んでいる。タイトルも「魍魎(もうりょう)(はこ)」とか「絡新婦(じょろうぐも)(ことわり)」とか、とにかく読めないような難しいのが多い。前者は「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」という言葉からの類推で何とか読めたが、最初は「ちみのはこ」かと思った。

今年の宝塚夏フェスでレコキンさんに薦められたこともあり、この弁当箱シリーズに挑戦することにした。シリーズキャラクターがいるから第1作から順番に読む必要があるという話。S&Mシリーズと同じですな。

で、第1作「姑獲鳥(うぶめ)の夏」である。これはそれほど長くなくて、文庫版で620ページぐらい(十分長いが)。週末に家族で東京ディズニーランドに行ったので、行き帰りの新幹線でもアトラクションの待ち時間でもこの本を読んでいた。ミッキーマウスと京極本、合わないにもほどがある。

密度の濃い作品だった。ページ数以上に濃厚である。事件が起こる前からウンチク満載で飽きない。日本の古い因習にまつわる話を読むのはあまり得意ではないのだが、最初の方の「脳・心・意識」のような話は大好きである。

紹介文に出てくる「憑物(つきもの)を落として事件を解決する」の意味がわからなかったのだが、こういうことであったか。トリックやロジックががっちりと組まれていたわけではないし、ちょっと都合がよすぎるのではないかと思ったところもあったが、真相解明と結末は圧巻だった。読後感はなぜか「孤島パズル」と似たものがあった。

サラリーマン時代にこんな作品を仕事の合間に書いたというのだからすごい人である。メモ代わりにこのシリーズの作品リストを書いておく。タイトルを見ているだけでおなかいっぱいになる。