- 作者: 北山猛邦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/03/14
- メディア: 文庫
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1989年、日本。1243年、フランス。1916年、ドイツ―時代と国を超えて繰り返される密室殺人。図書館で胸を貫かれた女性、城から忽然と消えた6人の騎士、戦地で消えた4人の遺体。それらに隠れた、ある男女の恋の運命。不可能犯罪も輪廻転生したのか? 切ない思いと仰天トリックが全編彩る本格ミステリ。
3つの時代にわたっていろんなものが出てくるのだが、雰囲気を醸し出すガジェットとしては前作「『クロック城』殺人事件」ほどにはわざとらしくなく、全体として楽しく読めた。結局何だったのかよくわからない話ではあったが。
北山猛邦といえば物理トリック。この作品は前作以上に物理トリックにこだわっている。正統派(?)のものあり、あまりにもあからさまで「そこまでやるなら許そう」と思ったものあり、結構感心したものあり、「何のこっちゃ」とずっこけたもの(ラスト)あり。とにかく物理トリックに対するこだわりは感じられた。
この話にはSF的設定があるのだが、そのルールにかなり飛躍があって、途中で「先に言っといてくれよ!」とツッコむことになったのがかなり難点。