全脳自由帳

より考えるために書く

ムペンバ効果

何歳の時か忘れたが、子供のころ、真冬にコップの水を家の外に夜通し置いておいて凍らせるという「実験」をしていたことがあった。その時に母に

「お湯にしてから置いとくと早く凍るよ」

と言われた。ふーんそうなのかと思って、コンロで温めて湯にしてから外に置いた記憶がある。

何年か経ってそのことを思い出し、「水より湯の方が早く凍るなんてことがあるはずがない。母もいい加減なことを言ったものだ」と思っていた。

ところが最近になって、ムペンバ効果なるものがあることを知って驚いた。

ムペンバ効果(ムペンバこうか、Mpemba effect)は、特定の状況下では高温の水がより低温の水よりも短時間で凍ることがある現象のことである(必ず短時間で凍るわけではない)。

ムペンバ効果 - Wikipedia

どうやら、こんなことが本当に起こるのかどうかがきちんと示されたわけではないようだし、凍結の定義や冷却時の環境の影響など、様々な因子が複雑にからむ問題のようである。それでも、そもそもこんなことがはっきりとわからないということ自体、水というのはつくづく不思議な物質だと思う(cf. 「比熱が最大の物質は水なのか」)。

まさか母がこの現象のことを知っていたとは思えない。何十年も経った今となっては、昔上記のような会話をしたことも、湯の方が早く凍ると言ったことも覚えていないと思うので、母にこの話をしたことはない。