- NHK総合「加藤和彦さんをしのんで〜あの素晴しい歌をもう一度〜」、BSフジ「お台場フォーク村『和幸』」(2007年10月放送分の再放送)を観る。楽しそうに、自信たっぷりに歌い演奏しているのを観ていると、改めて「なぜ?」。
11/1にはNHK-BS2で「ザ・フォーク・クルセダーズ 新結成記念 解散音楽會」の再放送がある(BS-hiでハイビジョン放送してほしかったが)。あの時の興奮を思い出しながら観よう。 - 高中正義が「追悼 加藤和彦 さよなら」をYouTubeに置いている(公認動画)。サディスティック・ミカ・バンドの「さようなら」。これを観て、言葉もなし。
追記: 「黒船〜嘉永6年6月4日」も置かれている。
→ さらに追記: こちらの動画は削除された。
追悼 加藤和彦 さよなら - TAKANAKA weblog
- 北山修の詳しいコメントはwebではどのニュース記事にも載っていなかったのだが、朝日新聞に掲載されたコメントをブログに転載されているのを見つけた。
きたやまおさむ さんの追悼コメント - 週末斑尾人の暮らしと遊び
読者への配慮か、努めて前向きなコメントをしているように思うが、無念さは伝わってくる。 - 毎日新聞「香山リカのココロの万華鏡」で「加藤和彦さんの自殺」。webページはそのうち消えると思うので、全文転載しておく。勉強になるものだった。特に(3)。
音楽プロデューサーの加藤和彦さんが自ら命を絶った。
加藤和彦さんと言えば、その音楽的才能もさることながら、ファッションや美術、ワインなどにも造詣が深く、六本木を拠点とした生活自体がアートであった。なぜあのおしゃれな加藤さんが、と衝撃は大きかったが、うつ病で精神科に通っていたという報道もある。私が周りから聞かれた質問の答えをまとめて記しておきたい。
(1)うつ病が自殺の原因と考えられるのか
たぶんそうだと思う。うつ病になると、「死ぬしかない」という考えがわいてきて、振り払えなくなることがある。うつ病から回復した人が「あのときなぜそんな考えにとりつかれたのか、どうしてもわからない」と言うことも少なくないので、それは自分の本心ではなくて“症状”なのだと私は思っている。風邪をひくと熱が出るのと同じように、うつ病になると「死にたい」という症状が出現する。だから、それは説得などではなくて適切な治療で消していくべきものなのだ。
(2)遺書に「音楽でやることがなくなった」と書かれていたようだが……
それももしかするとうつ病が先にあって、症状としての虚無感や絶望感の結果の言葉かもしれない。遺書の言葉を深読みして、それが晩年の加藤さんの本心だと考えるのは、早急に過ぎる。少しよいときには音楽活動に対しても旺盛な意欲を見せていた、という証言もある。創作の力自体は衰えていたわけではなかったのだろう。
(3)加藤さんといえば、精神科医でもある北山修さんがバンド仲間だったが、なぜ診てもらわなかったのか
うつ病については北山さんにも相談し、医療機関を紹介してもらった、と報じた記事もあった。精神医療の場合、医者と患者の心理的距離が近すぎるのは、治療にとってもマイナスなのだ。誠実な精神科医であればあるほど知人や友人は診ないし、別の医者を紹介した後、「ちゃんと診てもらってる?」などと治療関係に介入するようなことはしない。北山さんもおそらくは、一度、相談に乗って信頼できる医者を紹介した後は、あくまで長い友人、音楽仲間として接していたのだろう。
スタイリッシュな加藤さんだから、「死ぬしかない」という症状が出ていることも、もしかしたら主治医や周りの人に見せないようにしていたのかもしれない。私もファンとして本当に残念だ。「死にたい、と思ったら、それは本心じゃなくうつ病の症状かもしれない」ということを、私たちはいつも心にとめておくべきだと思う。
香山リカのココロの万華鏡:加藤和彦さんの自殺 /東京 - 毎日jp