全脳自由帳

より考えるために書く

我らが隣人の犯罪(宮部みゆき)

我らが隣人の犯罪 (文春文庫)

我らが隣人の犯罪 (文春文庫)

宮部みゆきのデビュー短編集。

僕は三田村誠。中学1年。父と母そして妹の智子の四人家族だ。僕たちは念願のタウンハウスに引越したのだが、隣家の女性が室内で飼っているスピッツ・ミリーの鳴き声に終日悩まされることになった。僕と智子は、家によく遊びに来る毅彦おじさんと組み、ミリーを“誘拐”したのだが…。表題作以下5篇収録。

これまで読んできた長編(書かれたのはこれよりあと)と比べて、題材は軽い。人が死ぬのは5篇中1つだけだし、どれも話のノリが比較的軽妙である。

宮部みゆきの作品というとどうしても「巧みに構築されたストーリー」を期待してしまうので、短編ではちょっと物足りない感じがしたのは確か。それでも「この子誰の子」「祝・殺人」あたりはうまくできていると思った。