全脳自由帳

より考えるために書く

弁護側の証人(小泉喜美子)

弁護側の証人 (ミステリ名作館)

弁護側の証人 (ミステリ名作館)

Amazonの紹介文より。

八島財閥の放蕩息子・杉彦に見初められ、玉の輿に乗った売れっ子ストリッパーミミイ・ローイこと漣子は、悪意と欲望が澱む上流階級の伏魔殿で孤軍奮闘していた。そんな折、八島家当主・龍之助が殺される。だが、まさか犯人が愛する夫の杉彦だったとは。死刑の判決を覆すべく、必死の調査を続ける漣子と仲間たち。新たな弁護側の証人は、果たして見つかるのか?驚異のトリックでミステリ史上に残る不朽の名作、ついに登場。ほかに単行本未収録短篇「深い水」を併せて収める。

小泉喜美子という人は知らなかったし、Webでの書評もあまり見かけないのだが、ふと目にとまったので読んだ。入手困難で、古本でも高い値段がついている。しかしなぜかブックオフオンラインで新品を入手できた。タイトルはクリスティの「検察側の証人」を意識している、らしい。

で、やられた。いつもより注意深く、疑り深く読んだつもりなのだが、トリックに全然気づかなかった。これは傑作である。全体を流れる怪しい雰囲気もよろし。こんな作品が1963年に書かれていたとは。