全脳自由帳

より考えるために書く

さまよう刃(東野圭吾)

さまよう刃 (角川文庫)

さまよう刃 (角川文庫)

「刃」は「やいば」と読む。2004年の小説。今年5月に文庫化されたことによってベストセラーに。大きな書店では何百冊も平積みされている。Amazonの紹介文より。

自分の子供が殺されたら、あなたは復讐しますか?
長峰重樹の娘、絵摩の死体が荒川の下流で発見される。犯人を告げる一本の密告電話が長峰の元に入った。それを聞いた長峰は半信半疑のまま、娘の復讐に動き出す――。遺族の復讐と少年犯罪をテーマにした問題作。

重いテーマである。特に娘を持つ身には、平静な気持ちで読めないところもある。作者も主張しているそうだが、少年法は改正すべきだと思う。刑法39条も。世論は少しずつそちらへ向かっているとは思うが。

犯人グループは人間の心を持たない「獣」のように描かれているが、本当にこんなやつらがいるんだろうか。いるんだろうな。

結末はとてもせつない。スカッとはさせてもらえなかった。こうなるよりないのかな...と考え込んでしまう。そして、こういう小説にはたして必要なのかどうかはわからないが、ミステリー的要素もきちんと盛り込んだラストだった。