全脳自由帳

より考えるために書く

孤島パズル(有栖川有栖)

孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

「学生アリス」シリーズの2作目。Amazonの紹介文より。

英都大学推理研初の女性会員マリアと共に南海の孤島へ赴いた江神部長とアリス。島に点在するモアイ像のパズルを解けば時価数億円のダイヤが手に入るとあって、早速宝捜しを始める三人。折悪しく嵐となった夜、滞在客のふたりが凶弾に斃れる。救援を呼ぼうにも無線機が破壊され、絶海の孤島に取り残されたアリスたちを更なる悲劇が襲う!

オススメである。前作「月光ゲーム」も楽しめたが、それよりも話がスッキリしてかつロジックがきっちりしている。まさに本格推理小説。新キャラクターのマリア(有馬麻里亜)に好感が持てる。そして結末が胸を打つ。読後感のよい作品だった。

巻末の解説はひどい。「本編を未読の人は392〜393ページをとばしてお読みください」と書きながら、その392ページより前の部分を読んでも犯人が推測できてしまう。私は本編を読んでから解説を読む派なので被害は受けなかったが。そして何の前ぶれもなく、次作「双頭の悪魔」に関するネタバレがある。それらしい部分はとばして読んだ。どんな解説を書くにせよ、暗黙のルールは守ってほしい。

「双頭の悪魔」は大作だがさらに評判が高いので、読むのが楽しみである。