全脳自由帳

より考えるために書く

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術(泡坂妻夫)

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

らしくないタイトルと表紙だが、ミステリーである。

新興宗教を題材にしたフツーの話。ところがこの小説にはとんでもないしかけが用意されている。いやー楽しい。こういうのは大好きである。さすが、作者はマジシャンでもあるだけのことはある。

(読んだ人にしかわからない話になるが)何かしかけがあることは知っていたのでそれを考えながら読んでいくうち、話の展開から「まさか、この本は○○○○○のか?」と思ったが、さすがにそんなことはなかった。真相は私の推理の及びもつかないところにあった。最後に「本書は新潮文庫に書下ろされたものです」とある。そりゃそうだ。

「まさか」といえば、この本では「まさか」を「真逆」と書いてあって、最初「まぎゃく」と読んでいたので意味が通じなかった。「まさか」と読むことに気づいたのはこの言葉が何回も出てきてからだった。

ヨギ・ガンジーの心霊術の極意を知った私は、喜々としてこの本の読心術をうちの長女に披露したのだが、2回目で早くもしかけを見破られてしまったのであった。