全脳自由帳

より考えるために書く

江戸川乱歩の怪奇小説

江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)

江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)

さっきまで読んでいた。作家や書評家には、子供のころに江戸川乱歩の小説を読みふけったという人が多い。私も小学生の時に「怪人二十面相」などの少年向け乱歩作品をよく読んでいたが、大人向けのものも読んでみたくなったのだった。

前半は軽妙な推理ものが多く、名探偵・明智小五郎も登場する。そして後半の怪奇小説3編「人間椅子」「鏡地獄」「芋虫」がすばらしい。特に最後の「芋虫」はすごい。私にとってはエログロナンセンスといえば筒井康隆なのだが、筒井小説(たとえば「問題外科」「死にかた」)とは全く異質なグロさだった。

ちょうど今週のNHKその時 歴史が動いた」が江戸川乱歩の回で、これらの小説の紹介もあった。松平定知アナウンサーの口から「エログロナンセンス」という言葉が聞けるとは思わなかった。