全脳自由帳

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超ひも理論をかじる

はじめての〈超ひも理論〉 (講談社現代新書)

はじめての〈超ひも理論〉 (講談社現代新書)

物質の成り立ちや宇宙創成のプロセスについての究極の統一理論となるのではないかと注目を浴びている「超ひも理論(Superstring Theory)」の解説書。物質をとことんまで細かくしていったときの最終は、10次元に存在して絶えず振動している「ひも」であるという。子供のころに「速く飛ぶ宇宙船の中では時間の進むのが遅くなる」と聞いた時の驚きにはおよばないが、ともかく原子やクォークが「ひも」でできているというのは驚きである。

物理学・宇宙論の最先端である超ひも理論について、どんな感じのものなのかがわかるかもと思ってこの本を読んだのだが、結局よくわからなかった。簡単に理解できるはずはないにしても、何かわかった気になれるような解説を期待していたのだが。

それと、例えば量子力学に対する朝永振一郎のくりこみ理論のように、物理学の発展というのは何かの理論のほころびを別の理論が埋める、というプロセスで発展してきたという解説がよくされるのだが、それがどうも場あたり的な印象を与える。自然科学というのは元来そういうふうに発展するものなのかもしれないが、何かこう、全てをスパッと説明する理論に向けて着実に発展してきているという感じは持てないものか。「スパッと説明する理論」が超ひも理論なのか。

超ひも理論についての本としては「エレガントな宇宙 - 超ひも理論がすべてを解明する」という大作がある。さらに難しそうだが、いつかは読んでみたい。「松岡正剛の千夜千冊(目次)」(1000冊以上の本についての書評があるすごいサイト)の1001夜目から書評が載っているので、読む時はそれを参考しながらということになりそうである。