- 作者: 大阪圭吉
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2001/10
- メディア: 文庫
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名作の誉れ高い表題作を劈頭に、シャーロック・ホームズばりの叡智で謎を解く名探偵青山喬介の全活躍譚など九編に併せて「連続短回顧」ほかのエッセイを収める。初出時の挿絵附。
いずれの短編もクラシカルな雰囲気が漂う。横溝正史などとはまた違ったタイプの、ちょっと乾いた昭和初期の香りがする。場景描写の端々に、また探偵・青山喬介の「〜して呉れ給え」という口調にそれは表れている。挿絵入りなのも雰囲気づくりを助ける。
シンプルな話が多い。教科書に載っていそうなトリックをアレンジしたものもあった。表題作「とむらい機関車」は事件の様相も犯人の動機もユニークな作品。マイベストは最後の「坑鬼」か。これはスケールも大きい。