全脳自由帳

より考えるために書く

Lord Loss (Darren Shan)

The Demonata #1: Lord Loss

The Demonata #1: Lord Loss

大満足だったCirque Du Freakシリーズ(Darren Shanシリーズと呼んでいたが、作者名と同じでややこしいからか、今はこう言うらしい)の作者Darren Shanの次なるシリーズ"Demonata"を読み始めた。全10巻のうちの第1巻。以下は日本語版の紹介文。

ある日突然、悪魔というおぞましい存在によって、幸せな日々を断ち切られてしまうグラブス。少年の一族の恐ろしい呪いとは。魔界に住む悪魔“ロード・ロス”とは。主人公と悪魔たちの戦いが始まる。

とある通り、悪魔との戦いの話。こわさと気持ち悪さは前シリーズよりパワーアップ。その分、ストーリー全体で訴えてくる悲しみ・せつなさは減った印象。それに戦いのルールがどうもとってつけたようで不自然に思えた。チェスボクシングという変なスポーツがあるのを思い出した。まさかそれをヒントにしてこの話を作り上げたのではないと思うが。

英語の文章の方は、ややこしい構文を使わないので読みやすい。感覚的には、かなりやさしかったCirque Du Freakシリーズより若干難しめというところか。前シリーズでは全て過去形で書かれていたのだが、この作品ではほとんどの描写が(すでに起こったことであるにもかかわらず)現在形である。また、

In and out. Quiet moments of reality. Sudden flashes of insanity and terror.

というような、述語なしの状況描写が頻出する。ニュアンスの違いをちゃんと読み取ることは難しいが、意識して前シリーズと文体を変えているのはわかる。

「次も読まずにはいられない!」というところまではいかないのだが、第2巻"Demon Thief"では語り手が代わっていたりして、作者得意の複雑な話の構造になっている予感。とりあえず第2巻も読む予定。