全脳自由帳

より考えるために書く

言葉の使われ始め(1)

  • 「限りなく負けに近い引き分け」「限りなくクロに近いグレー」というような「限りなく○○に近い××」という言い方は、村上龍の小説「限りなく透明に近いブルー」がベストセラーになってから広く使われ始めた

私の年代以上だとこの小説が芥川賞を受賞して売れた頃(1976年)を覚えている人が多く、上記は常識に近いことだと思う。しかし若い人に「『限りなくナントカに近いナントカ』という言い方の由来は何か知ってるか?」と聞くと、「???」というリアクションをされることが多い。そういう言い方をよくするということは認識していても、由来があるとかいうことは考えたことがなかったというのである。それくらいこの言い方は、もう何かの「もじり」ではなく、古くからある慣用句のようになっている。

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)