全脳自由帳

より考えるために書く

あの頃ぼくらはアホでした(東野圭吾)

あの頃ぼくらはアホでした (集英社文庫)

あの頃ぼくらはアホでした (集英社文庫)

中学〜大学時代のことを中心としたエッセイ。小説家のエッセイを読むようになったらその作家にはまってきたということか。出てくるのはベタベタの大阪の学生ばかりなので親しみは持てる。

しかしそれほどおもしろいエッセイではなかったな。書いてあるエピソードはおもしろいのだが。「小説家のエッセイ」の中で私の好きな中島らも筒井康隆原田宗典といった人たちのものに比べると、エピソードからの話の発展というか、そういうものがあまり感じられない。

でも、別にいいのである。すごい小説を読ませてくれればそれで。

東野圭吾という人は高校時代に「アルキメデスは手を汚さない」に出会うまで本をほとんど読んだことがなかったらしい。そういう人が今のようにすごい小説を連発するようになるというのは信じがたいことである。