全脳自由帳

より考えるために書く

白夜行(東野圭吾)

白夜行 (集英社文庫)

白夜行 (集英社文庫)

文庫本で850ページあまりもある大作だが、そんな気がしないぐらい没頭して読んだ。「東野圭吾の最高傑作」と言う人が多いだけのことはある。

秘密」の時は読み終わってしばらく呆然としてしまったが、これは読み終えて少し経ってからじわじわ効いてきた。あそこはそういうことだったのか、するとあれはどういうことだろうとついつい考えてしまう。そして読み返す。物語の中心となる2人は常に外から観察されるだけで、彼らの心情が直接書かれることはないため、話の中のできごとを思い出すたびに2人の荒涼たる心の中について考えさせられることになる。

2人は私と同年代なので時代背景がわかりやすく、また舞台も大阪なので親しみが持てた。しかしTBSのドラマは観る気がしないな。どう考えても、この小説の味を損なわずにドラマにできるとは思えない。

2008.3.11追記

愛読しているdainさんのブログでちょうど投稿された「このミステリーがスゴい!ベスト・オブ・ベスト20」でも国内編の8位に入っている。あとをひく小説だという感想は一致しているようで、ちょっとうれしい。