全脳自由帳

より考えるために書く

放課後(東野圭吾)

放課後 (講談社文庫)

放課後 (講談社文庫)

デビュー作。女子高で起こる殺人。江戸川乱歩賞受賞。

女子高校生の心理というのはわからないが、なんとなくなるほどと思える(思わせる)話だった。乱歩賞受賞当時、犯行動機について厳しい批判があったらしいが、私には違和感なかった。好みが分かれるというラストも、私はとてもよい終わり方だと思う。

女性の心理に関しては、東野圭吾も以下のように言っている。

僕は男だから、女性のことは永久にわからないじゃないですか。だから女性の内面はなるべく書かないようにしてるんです。基本的に女性のことは悪く書かない。知らんから(笑)。知らんのによけいなことは書かないと(笑)。男の心理を書くことはまぁまぁ自信があるし、男のことは少々悪く書いたってかまわないと思ってるんです。

東野圭吾スペシャルインタビュー 第3回 女性の内面だけは永遠にミステリ

確かに、この作品でも女子高校生の内面は書かれず、あくまで外からの目で描かれていた。

これで東野圭吾は10冊目。近いうちに、星新一筒井康隆太宰治阿佐田哲也中島らもに続いて「たくさん読んだ作家」のリストに入ることになりそうな気配である。