全脳自由帳

より考えるために書く

悪童日記(アゴタ・クリストフ)

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

Webでいろんな書評やレビューを読むようになる前は全く聞いたことがなかったのに、Webではあちこちで賞賛のコメントを目にする小説。

戦時下の悲惨な状況(第二次世界大戦中のハンガリーがモデルとされる)を背景に、双子の男の子たちの冷ややかな文体で毎日がつづられる。盗みも、裏切りも、暴力も、強姦も、殺人も、そして別れも、あくまで事実だけを淡々とつづる。結末には驚かされた。サッと読めるがまた読みたくなる小説である。

ふたりの証拠」「第三の嘘」と合わせて三部作になっており、「必ず3つとも読むこと」だそうである。そう聞いてから読んだからか、まだ1つの話が完結したという気がしない。近いうちに「ふたりの証拠」を読むことにしよう。