全脳自由帳

より考えるために書く

いわゆる「赤ちゃんポスト」について

いわゆる「赤ちゃんポスト」、どうしても賛成する気になれない。

賛成する人たちの多くは、これは「必要悪」だと主張しているのだと思う。この場合の「必要」は「捨てられて死んでしまう赤ちゃんを救うこと」。「悪」は、「本来親が行うべき育児を放棄して他人(まずは病院)に押しつけること」。つまり、「捨てられて死んでしまうよりは、育児放棄を認めてでも赤ちゃんを救った方がよい」という考え方で設置しているものだと理解している。

しかしいろんなところで主張されている通り、「悪」の方は安易に育児を放棄する風潮を助長するおそれがある。こんなものが設置されていくと、何か大切なものが失われていくように思うのである。結局一番引っかかるのは、あとから親に連絡する手段がなく、全くの一方通行だということ。だからこそ利用されるのだろうが、匿名で勝手に預ける(= 捨てる)のではなく、育てられないと思ったらしかるべきところに相談するとかいうふうに仕向けられないものなのか。

「そんなにうまくはいかない。まずは赤ちゃんの命を救わないと」という主張はわかるし、即効性のある代案もないのだが。反対するのは、命を救うという実利よりも親としての倫理を優先する「倫理原理主義」的な考え方なのか?

それと「赤ちゃんポスト」という名前、なんとかならないのか。最初聞いた時は耳を疑った。「ポスト」はひどいのではないか。