- 作者: 星新一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1976/11/30
- メディア: 文庫
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前に読んでから多分20年以上経っている。「困りましたね、先生。ここは国立の権威ある研究所。」という妙に説明的でクールな文章がなつかしい。
前回「あらすじは完全に思い出した」と書いたが、だいぶ違っていた。装置の作者が「うむ、やはり作るしかない」とつぶやいて製作にとりかかるシーンがあったと思っていたのだが、どこにもなかった。別の作品と混同していたらしい。記憶というのはいい加減なものである。それに、文庫本で18ページもあるとは。もっと短い話だと思っていた。
aogiliさんの書評で「機械は最後まで機械として扱うべきだったように思う」と書かれていたが、微妙なところか。ラストは人間的なので、そこにスムーズにつながっているようにも思うのだが。でも、機械として描写されたままラストにつながったら、と想像してみると、とても味が出てくる。その方がいいような気もしてきた。
20年以上経って読み返しても、特に好きな星新一作品の一つであることに変わりはないのだった。