年末年始は家族でハワイに旅行。海外で正月を迎えるのは初めての経験だった。暑いところだと日本とは全く違う感じの年越しになる。
ハワイ州は日本人観光客誘致に力を入れている。特にワイキキ周辺では態勢が整っており、店も日本語が通じるところが多い。便利ではあるがちょっとおもしろくない。巷の表示にも日本語併記が多い。シンガポールに行くと多くの表示が英語・中国語・マレー語・タミール語の4ヶ国語併記で書かれているが、ワイキキでは日本語が併記の対象になっている感じである。しかし表現のチェックを日本人がきちんと行うとは限らないようで、変な表現も見かける。
アラモアナショッピングセンターに行くと、床に
CAUTION WET FLOOR
というコーンが立っていて、この英語表記の下に
警戒 濡れた床
とあった。間違いではないがちょっと変である。帰りにホノルル空港で見た同種のコーンでは
御注意 濡れた床が滑ります。
となっていた。「床」が「滑ります」はやっぱり変である。じゃあ日本ではどう書くのか。改めて考えると難しい。
注意 床が濡れています
ぐらいか。
往復の飛行機はオムニエアー・インターナショナルという航空会社のチャーター便だった。この会社のフライトについてはいろんなブログでよくない評判を読んでいたが、他に空いていないので仕方なく乗ることにしたのだった。これから利用する人への情報として、状況を書いておくことにする。
- もともと貨物輸送の会社らしく、その飛行機を旅客用に改造しているからか、椅子の幅が少し狭めに思えた。しかし前の座席との間隔は普通。よほど太い人でなければ特に不自由はないと思われる。
- 帰りのフライトで席についたら、私の席にはシートベルトがなかった。乗務員に言うと取りつけてくれたが、こんなことは初めてである。点検していないのだろうか。
- 日本人の乗務員が2〜3人いて、あとはアメリカ人(だと思う。みんな普通のアメリカ英語に聞こえた)。客はほぼ全員日本人なのに、アメリカ人乗務員は日本人向けの対応を全く勉強していない様子。全く英語のみだし、ゆっくりしゃべってくれることもない。私が飲み物にgreen tea(日本茶)を頼んだら「砂糖は入れるか」と聞かれた。隣の人が「コーヒー」と(日本語の発音で)言ったら、coffeeのことだとは全くわからない様子だった。「ミルク」と言ったらビールだと思ったようだった(余談だが、日本人が「ミルク」と言うと英語ネイティブの人にはbeerに聞こえるようである。私も何回か経験がある。苦労して英語風にmilkと言っているつもりなのに。飲み物にミルクを頼む人があまりいないせいもあると思うが)。
- 機内食はおいしくない。しかしアメリカの航空会社ならこんなものだろう。ユナイテッド航空と同じくらいの感じ。夕食は定番の"Beef or chicken?"だった。
- 機内はちょっと寒かったが、これも飛行機の中というのはこんなものだと思う。日本側が真冬だったこともあってあまり気にならず。
- 航空会社の責任ではないと思うが、帰りのフライトではトイレットペーパー以外の紙(手を拭く紙など)をトイレに流す人がなぜか多かったらしく、「ただいまほとんどのトイレが詰まっております。化粧室の御利用はなるべく御遠慮ください」とアナウンスがあった。
- ヘッドホンで音楽を聴いたり映画を観たりするシステム(スクリーンは座席ごとではなくエリアごとに前の壁)は一応あったが、全然整っていない。
- 音楽は2〜3チャンネル流れていたが、プログラムガイドがないから何が流れるのか全然わからない。
- 行きのフライトでは私の席でヘッドホンから音が出なかった。以前のエントリで書いた「チャーリーとチョコレート工場」を吹き替えでやっていて、長女は喜んで観ていたが、私は観られず(聴けず)。
- 帰りのフライトでの1本目の映画はなぜか日本語吹き替えのチャンネルなし。と思ったら乗務員が「日本語の音声は出ているか」と私に聞きに来た(その前にシートベルトの件で英語でクレームをつけていたので、英語のしゃべれるやつだと思われたらしい)。どうやら間違って別の映画を上映していたらしく、すぐに差し替えられた。しかし音声が途切れ途切れで台詞がよく聞き取れない。他の人も同じ状況のようなのでまたクレームをつけると、いろいろ調べていたが結局直らず。そのままみんなガマンして観ていた。私は映画を観るのをあきらめた。
こう書くとひどいフライトだったようだが、他にとれなかったからしょうがないという覚悟の上で乗ればどうということはない。今後は家族旅行には可能な限りJALやANAを利用するとは思うが。
欧米(少なくともイギリスとアメリカ)の従業員というのは、システムのトラブルで客に迷惑をかけても謝らない。帰りのフライトでの映画の音声の件でも「地上に降りたら直すが、今はどうしようもない」と言うだけ。今回だけでなく、これまでホテルのコンピュータのトラブルなども何回か経験したが、I'm sorryという言葉を聞いたことがない。「システムの調子が悪いのは自分の責任ではないから謝らなくてよい」という文化なのか、謝ったという事実があると訴訟の時に不利になるとかいう教育をされているのか、そんなところだろうと思って腹は立たなくなった。