米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

今夜は眠れない(宮部みゆき)

今夜は眠れない (角川文庫)

今夜は眠れない (角川文庫)

1992年の作品。

母さんと父さんは今年で結婚十五年目、僕は中学一年生でサッカー部員。そんなごく普通の平和な我が家に、突然暗雲がたちこめた。“放浪の相場師”とよばれた人物が母さんに五億円もの財産を遺贈したのだ。周囲の人たちは態度がかわり、見知らぬ人たちからは脅迫電話、おまけに父さんは家出をし…。相場師はなぜ母さんに大金を遺したのか? 家族の絆を取り戻すため、僕は親友で将棋部のエースの島崎と真相究明にのりだした!

登場人物も文体も事件の内容も少年少女向けのようになっているが、作品としては十分に大人の鑑賞に耐えるものである。

何度も横道にそれるようでいてちゃんと伏線が張ってある話。宮部作品の中ではサスペンス色より謎解きの色が濃い方の作品だと思う。ただし「推理の手がかりは読者にも完全に提示され...」とまで言える感じではない。

どうせなら中学生コンビ(特に探偵役の島崎)にもう少し活躍してほしかったように思うが、さわやかな話だったのでよしとしよう。しかし主人公にとってはかなり迷惑な事件ではあった。