卒論・修論の季節。うちの長女も卒業設計に打ち込んでいる。
「数学ガール」の結城浩さんが、論文のバックアップについてツイートされていた。
【業務連絡】バックアップを取らずに論文書いている人は、いますぐにバックアップを取りましょう。いますぐです。バックアップは、自分の使っているマシンが物理的に壊れても安全な場所に取りましょう。同じマシンの別フォルダにコピーするのはバックアップではありません。マシンは予告なく壊れます。
— 結城浩 (@hyuki) 2018年1月28日
これで思い出したので、7年前に今は亡きPosterousというブログに書いた話をもう一度書く。
卒論の時の話。私は研究室で初めてワープロで書いた学年だった。その前は全員手書きだったのである。私が使ったのは研究室の共用だったIBM 5560のワープロ機能。
〆切3日前ぐらいの、かなり完成に近づいていた日、徹夜で執筆作業をしたあと下宿で寝ていると、M1の先輩から電話がかかってきた。「すまん…おまえの卒論、消してしもた!」。
5560のワープロは、文書を編集したり閲覧したりして終了する時の「保存しますか?」という問いにNと答えると、修正を反映せずに終了するのではなく、その文書を削除してしまう、というとんでもない仕様だった。先輩は私の卒論を「どれどれ」と見たあと終了する時にこのトラップにはまったらしい。
私はこの危ない仕様を知っていたこともあって、帰る前に必ず全部を2枚のフロッピー (他に外部メディアはない)にそれぞれバックアップするようにしていたので、そこから復旧して事なきを得たのだった。先輩は一時、紙で印刷したものから自分が全部入力し直すことを覚悟していたらしい。
何にしても、バックアップはちゃんととっておきましょう。
最近はDropboxなどのクラウドサービスがあるが、編集するファイルをDropboxに置いているだけではクラウド上に「バックアップした」ことにはならない。本体を編集したり削除したりすると同期されてクラウド上のも変わってしまうからである。バックアップは、編集・削除やPCの故障・破損の影響を受けないところに、別の実体として置いておかなければならない。
長女はMacBook Proを使っているので、下宿と研究室に外付けハードディスクを置き、両方でTime Machineを設定して自動バックアップしている。かつ時々手動でファイルをコピーしているらしい。そうやっておけばまあ大丈夫だろう。
高尾先生のこの連続ツイートはまさに「卒論あるある」であり、とても役に立つ。