キウイγは時計仕掛け KIWI γ IN CLOCKWORK (講談社文庫)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/11/15
- メディア: 文庫
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S&Mシリーズ、Vシリーズ、四季シリーズときて、今はGシリーズを読んでいる。いつのまにか9作目。
建築学会が開催される大学に、γの字が刻まれたキウイがひとつ届いた。銀のプルトップが差し込まれ手榴弾にも似たそれは誰がなぜ送ってきたのか。その夜、学長が射殺される。学会に参加する犀川創平、西之園萌絵、国枝桃子、海月及介、加部谷恵美と山吹早月。取材にきた雨宮純らが一堂に会し謎に迫るが。
Gシリーズについて作者は以下のように書いている。
ミステリィについて自分なりに見直し、あまりトリッキィなものではなく、どろどろしたものでもなく、真正面から誠実に、シンプルできめの細かい作品を書きたいと思うようになりました。また、矛盾しているように感じられると思いますが、一方では書かなくても良いことを極力書かない、という当たり前の素直な方針を掲げ、ナチュラルでアキュラシィな作りをなんとか目指したいと今は考えています。
確かにどの作品も事件の構造はシンプルなのだが、作を追うごとにだんだんわけがわからなくなってきた。この「キウイγ」などは、何が解決なのかよくわからない。
シリーズに通底した謎がいろいろあるのは明らかで、どうやら次作「χ(カイ)の悲劇」以降の3作で解明されていくらしい。森博嗣作品は、作品やシリーズにまたがったしかけが大きな魅力の1つなので、いやが上にも期待が高まる。ひとまず「χの悲劇」が文庫になるのを待ちながら、次のXシリーズを読むとしよう。