全脳自由帳

より考えるために書く

言葉の使われ始め(5)

  • 最高権力者を表す言葉として「ドン(漢字では『首領』)」という言葉が使われるようになったのは、映画「日本の首領」が世に出てから

この仮説にもあまり自信はない。「ドン(首領)」という言葉を世間が使い始めた、という時期の記憶(急に使い始めたな、と思った記憶)があるのだが、何が契機だったのかが思い出せないので調べてみたらここに行き着いた。

語源由来辞典の「ドン」の項によると、スペイン語・イタリア語で男性の名前の前につける敬称「don」が由来らしい。ドン・キホーテのドン。ドン・ガバチョ(ひょっこりひょうたん島)のドンもこれか。首領の方のドンと結びつけて考えたことはなかった。

で、この「ドン(首領)」が人口に膾炙したのは、どうやら映画「やくざ戦争 日本の首領(にほんのドン)」がきっかけらしいのである。1977年の映画で、監督は中島貞夫。飯干晃一の同名の小説が原作。「日本の首領」シリーズは3作が製作されている。

石野真子の「わたしの首領(ドン)」(1978年)という曲があるが、この曲が出た時には私はすでに「ドン(首領)」という言葉を知っていて、物騒なタイトルだと思った記憶がある。「日本の首領」が初めだと考えればこの記憶ともつじつまが合う。

「わたしの首領」、YouTubeで久しぶりに聴いてみた。阿久悠作詞・吉田拓郎作曲。いかにも拓郎という感じのメロディ。

わたしの首領 (MEG-CD)

わたしの首領 (MEG-CD)