- 作者: 赤川次郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 文庫
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“私の事を、父は「ガラスの人形」だと呼んでいた。脆い、脆い、透き通ったガラスの人形だと。その通りかもしれない”…森の館に幽閉された美少女と、大都会の空白に起こる連続殺人事件の関係は? 錯綜する人間の欲望と、息もつかせぬストーリー展開で、日本ミステリ史上に燦然と輝く赤川次郎の処女長篇。
長編第1作(1977年)。赤川ミステリーの「軽くて明るい」というイメージに反して、これは暗い。しかし文体が軽いせいか、どんどん読める。
暗い話を読んでいくと自然と「なんとかハッピーエンドにならないものか...しかしそれではおもしろくないか」という複雑な気持ちになるのだが、こんな結末とは。例によって予想もつかなかったし、トリックは全然わからなかった。タイトルの意味も終わりになってわかる。難点は警察の捜査が若干手ぬるく感じることぐらいか。
読んでよかった。これで赤川作品は(再び)終わりにしよう。