
- 作者: 有栖川有栖,近藤史恵
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/07/14
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (68件) を見る
作詞家が中毒死。彼の紅茶から青酸カリが検出された。どうしてカップに毒が?表題作「ロシア紅茶の謎」を含む粒ぞろいの本格ミステリ6篇。エラリー・クイーンのひそみに倣った「国名シリーズ」第一作品集。奇怪な暗号、消えた殺人犯人に犯罪臨床学者・火村英生とミステリ作家・有栖川有栖の絶妙コンビが挑む。
お手軽な作品がそろっているという印象。大きくうならされる作品はなかったが、肩が凝ったり気分が重くなったりせずに読むことはできる。
暗号ものやダイイングメッセージものもいくつかあり。これらはどうしてもワンアイデアで書いている感じになるから、「だから何?」という読後感になりがちだが、まあ深く考えずに楽しめばいいのだろう。
個人的に一番気に入ったのは「赤い稲妻」。この「密室」はおもしろい。表題作「ロシア紅茶の謎」はさすがにクイーン風のロジックものだった。