- 作者: ラルフ・イーザウ,佐竹美保,酒寄進一
- 出版社/メーカー: あすなろ書房
- 発売日: 2003/12
- メディア: 単行本
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そのコンパクト版の2巻まで読んだところだが、まだあまり盛り上がらない感じ。今後の展開に期待したい。それと、登場人物の間のもってまわった会話の多さに慣れるのにはちょっと時間がかかりそうである。例えばヨミが森の縁にある盆地に落ちそうになってヒナギクにつかまっているのをヨナタンが助けるところ。
「そんなところで何してるんだい?」
「ヒナギクをつんでるのさ」ヨミは声をしぼり出すようにいった。「すぐに助けてくれないんなら、このまま花をつんでるよ」ヨミは、片手で指の太さほどあるヒナギクの茎を一握りつかんでいたが、いまにも根こそぎぬけてしまいそうだ。
助けてほしい時に「すぐに助けてくれないんなら、このまま花をつんでるよ」というのは、日本人の会話(および日本の小説)では決して出てこない言い方。しかし欧米の作品にはいかにもありそう。それが味つけになるのだが、多いとだんだんつらくなってくる。英語で読んでいれば気にならないのかもしれないが。
ジョナサンは夢の中でヨナタンという少年になる。日本語版ではカタカナで書かれているからこれらが区別できるが、アルファベットだとどちらも"Jonathan"になるように思う(英語読みとドイツ語読み?)。というか、わざとそうしているのだと思われる。原書では2つの名前をどう区別しているのだろう。