- 作者: 梅田望夫,茂木健一郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/05/08
- メディア: 新書
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「ウェブ進化論」には感銘を受けたが、この本はそうでもなかった。言っていることがあまり変わらない感じで、ちょっと食傷気味。
茂木氏によると、脳とインターネットは類似しているという。なんかすごそうに思うが、だから何なのかがわからない。将棋好きの野球選手が「野球も先を読むことが必要なので将棋と共通するものが...」と言うのと同じくらい「無理やり似ていることにしている」感がある。
茂木氏の言う「偶有性」という言葉(「ある事象が半ば偶然的に半ば必然的に起こるという不確実な性質」という意味らしい)が今ひとつよく理解できなかったこともあって、脳との関係の話は取ってつけたように見えた。ただ、茂木氏の「現段階の脳科学では、アインシュタインのように鋭利や論理で切っていこうとするのは時期尚早で、ダーウィンのように経験的事実を総合する視点が必要」という話は興味深かった。
二人とも、インターネットがもたらす未来の姿についてオプティミズムに満ちており、前向きである。その点でも「ウェブ進化論」と同じ。元気を出すために読むのにはいいと思う。特に終わりの方にある二人の特別授業(講演録)は元気の出る内容。