全脳自由帳

より考えるために書く

われわれはどこへ行くのか? (松井孝典)

われわれはどこへ行くのか? (ちくまプリマー新書)

われわれはどこへ行くのか? (ちくまプリマー新書)

「地球学的人間論」の立場から、生命を含めた「地球システム」、その中で我々人間が形成している「人間圏」(「生物圏」とは別の構成要素として新たにできた)といった概念を元に、人間の文明や環境問題について高い視点から解説した本。さらには生命や宇宙の理解のしかたについても語っている。

例えば、「自然とは宇宙の歴史を記録した古文書であり、この宇宙に存在する知的生命体に共通のものである。それを読み解いた結果が知の体系なので、この宇宙に我々に比べてそんなに特殊な、奇妙に極端に発達した知性を持つ知的生命体が存在することは考えられない」という話は印象的だった。

この本はオススメ。こういうふうに、ものを考えるときのベースになるものを提示してくれる本を読みたいものである。わかりやすいのですぐ読めるし。同じ著者の「松井教授の東大駒場講義録」もぜひ読んでみたい。