
「わたしと仕事、どっちが大事?」はなぜ間違いか―弁護士が教える論理的な話し方の技術
- 作者: 谷原誠
- 出版社/メーカー: あさ出版
- 発売日: 2006/08/28
- メディア: 単行本
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「わたしと仕事、どっちが大事?」というのは論理の落とし穴の1つ「誤った二分法」の例として挙げられ、象徴的に本のタイトルに採用されている。「わたし(恋人・妻)」と「仕事」は同類のものではないから同じ基準で比較ができず、もともと選ぶことができない選択肢だというのである。
考えてみると、この質問に対する答え方には以下の3通りがありそうである。
- 「比べられるもんじゃないだろう」
と、回答不可能な質問であることを主張する - 「そりゃもちろん君の方だよ」
と、論理は無視して相手の喜びそうな回答をする - 「それは何と何を比べてるの? 君と別れるか会社をやめるかだったら会社をやめるけど、デートの日に緊急の仕事が入ったら仕事の方に行くこともあるよ」
と、回答できる質問にブレークダウンして回答する
明石家さんまは1.派らしい。「比べられるもんやないやろ?」と言うのが正しいと言っていた。
この本では、相手は恋人や妻なのだから感情に訴えるように2.のように答えた方がよいと書かれている。でもそれだと「じゃあどうしてわたしをほっといて仕事してたの?」と次の質問が来ることがありそうだが。派生形(?)として、「質問には答えずにひたすら謝る」というのも考えられる。
私がこういうことを聞かれたとしたら、どうも3.のように答えたくなってしまいそうである。「問題」を出されるとなんとかして「答」を出さないといけないと思ってしまうのは悪いクセである。