全脳自由帳

より考えるために書く

ニワトリが先か卵が先か

ロンドン――卵が先か、ニワトリが先か。長年にわたり、学者から酒場の酔っ払いまでを巻き込んできた疑問に、英国の遺伝学者と哲学者、養鶏家の計3人でつくるチームが結論を出したと主張している。
彼らの言う「結論」は――「卵」だ。
生物の遺伝物質は生きている間には変わらない、というのがその理由。ニワトリ以外の鳥が途中でニワトリになることはなく、ニワトリの遺伝物質をもった卵を生むこともないという理屈だ。
このことから彼らは、最初のニワトリは卵の中でニワトリの遺伝物質をもつようになったと主張。この「進化した卵」こそ、現在数多あるニワトリの卵の最初だったとしている。

CNN: 「ニワトリより卵が先」 英学者らが「結論」

ありゃ。この問題はとっくに結論が出ているのだとばかり思っていたが、違うのか。

高校の生物の授業で先生が以下のように言われていた。

  • 生物の進化は、遺伝子の突然変異とその自然淘汰によって起こる(ダーウィンの進化論)
  • ニワトリは他の鳥から突然変異によって発生し、それが淘汰されずに生き残ってきたと考えられる
  • その時の突然変異は、他の鳥が卵を産んだ時にすでに起こっている。つまりニワトリの卵になっている
  • だからニワトリになったのは卵の段階で、「卵が先」である

これを聞いて「なるほど」と思い、今までいろんな人にこの話をしたのだが。

上記の記事での学者の主張は似ているが、「ニワトリ以外の鳥がニワトリの遺伝物質をもった卵を生むことはない」「最初のニワトリは卵の中でニワトリの遺伝物質をもつようになった」ということは、「産んだ時は他の鳥の遺伝子を持ったままで、孵化するまでの間に何らかの外的要因でニワトリの遺伝子に変化した」ということか。論拠はちょっと違うが、どっちにしても「卵が先」という主張。でも、

ここにあるように、「ニワトリ」とは何か、「卵」とは何かをきちんと定義しないと明確な答は出ないのかもしれない。

上記記事の最後にこう書いてある。

この結論は、映画「チキン・リトル」のDVDの宣伝として、発売元のディズニーが学者たちに依頼してまとめた。

映画の宣伝のために、「結論を出した」という話題を提供しただけか。