米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

プロ野球 奇人変人列伝(野村克也)

プロ野球 奇人変人列伝 (詩想社新書)

プロ野球 奇人変人列伝 (詩想社新書)

著者がこれまで60年以上プロ野球界に身を置いてきた中で出会った奇人変人たち52人(著者本人を含む)を紹介している。といっても本当の奇人変人だけでなく、まじめ・人格者という意味での「変人」も出てくる。いずれにしても、本人やまわりの人にどう思われるかを気にせずにここまで書けるのは野村氏ならではかも。

一番印象的だったのは、鈴木啓示が「徹底した利己主義者」だったという話。チームのことを顧みず、自分のことしか考えない変人で、その価値観がその後の近鉄のカラーを作ってしまったという。手厳しい。他には、名将と言われる西本幸雄監督がなぜかピッチングに無関心だったという話と、江本孟紀のことを「なぜか憎めない」と評しているのは意外だった。

楽しく読めたのだが、全体的に人物考察が浅く、あっさりした本になってしまっているのが残念。野村氏が書くのだからもっと掘り下げてくれないものかと思ってしまう。また、これだけの数を紹介していても「あの人のことは書いてくれないの?」というのはどうしても出てくる。イチロー、清原、桑田、掛布、江川、ダルビッシュ、野茂。このあたりの人のことも読みたかった。

野村氏の著作は多いので、ライターに書いてもらっているのかなと思っていたが、この本は本人が書いているのではないかと思う。プロのライターにしては文章があまりうまくないからである。