米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

七年目の脅迫状(岡嶋二人)

七年目の脅迫状 (講談社文庫)

七年目の脅迫状 (講談社文庫)

1983年。「焦茶色のパステル」に続き、競馬を題材にした作品。残念ながら、絶版になっている上に古本屋でも見かけない。Amazonマーケットプレイスで購入。

中央競馬会に脅迫状が届いた。「十月二日、中山第10レースの1番の馬を勝たせよ。この要求を受け入れなかった場合には…」最初に二億円のサラブレッドが、治療法のない伝貧(馬伝染性貧血)の犠牲になった。密命を帯びた中央競馬会保安課員・八阪心太郎が北海道へ飛ぶ。本格推理の新星・岡嶋二人の長編会心作。

事件の真相はさすがに手の込んだものだった。7年前のことをそんなに鮮明に覚えていられるものかという疑問は持ったが、とにかく意外性は十分。

しかし、真相の解明に行き着くまでに若干だれてしまった。競馬の世界の中の保険という、ちょっとわかりにくいものを扱っている上に、怪しい人やら牧場の名前やらが次々と出てきてややこしい。終盤の謎解きの場面まで、誰が何をしたのかをちゃんと覚えていられなかった。もっとシンプルな話にできなかったものか。少なくともラブロマンスはなくてもいいような気がする。

岡嶋二人の作品で絶版になっているものはそんなにない。この作品は人気がないということなのか。