米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

泡姫シルビアの華麗な推理(都筑道夫)

泡姫シルビアの華麗な推理 (新潮文庫)

泡姫シルビアの華麗な推理 (新潮文庫)

1979年の作品。都筑道夫のミステリーを何か読みたいなと思っていたら、なぜか家の本棚にこれがあった。妻が持っていたようである。買った記憶はないらしいが。

はじめまして。あたしの名はシルビア、勤め先は吉原のソープランド、〈仮面舞踏会〉。お客さんたちが持ちこんでくる事件を推理するのが趣味なんです…。浮気を疑う奥さんの心理分析、預金通帳の隠し場所捜しから、はては殺人事件の犯人当てまで、アームチェア・ディテクティヴならぬベッド・ディテクティヴでみごと解決する数々の難事件。推理小説史上初の泡姫探偵ついに登場!

ソープ嬢(作中の言い方ではトルコ嬢)のシルビアが探偵役として事件を解決していく短編7編。客の男たちや他のソープ嬢の悩みから事件に発展する。なかなかおもしろい設定。

この設定から想像するほどには、なまめかしいシーンは登場しない。話の舞台も必ずしもソープランドの部屋とは限らず、別の場所で終わってしまう話もある。シルビアはいつも淡々と謎を解き明かしていく。

それが独特の味を醸し出していて、いずれもしゃれた推理小説になっている。密室あり、暗号あり。マイベストは最初の「仮面をぬぐシルビア」。「日常の謎」的な趣のある一品である。