- 作者: 連城三紀彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2000/07/01
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 22回
- この商品を含むブログ (29件) を見る
この里芋のような女に、俺の「浮気相手」が演じられるのだろうか? 妻の妹と関係を持った男は、妻の疑いをそらすために、馴染みの居酒屋の女将に一芝居打ってくれるように頼み込んだ。男の前で、妻とその妹、女将―3人の女の壮絶な「芝居」がはじまる。逆転、さらに逆転劇!(表題作「美女」)息を呑む超絶技巧で男と女の虚実を描く、8篇の傑作ミステリアス・ノベル。
8編のうち、「喜劇女優」「他人たち」の2つは技巧的な作品。特に「喜劇女優」は連城三紀彦ならではの超アクロバティックな話だった。技巧ばかりに目が行ってしまって話を味わえない感じはあるが、他の人では読めない作品だと思う。
他の6編はミステリーであり恋愛譚でもある。いずれも「演技」がキーになっているような気がする。ミステリーとしての真相を隠す演技だけでなく、恋愛での「演技」。マイベストを挙げるとするなら最初の「夜光の唇」か。