全脳自由帳

より考えるために書く

ほのぼの番組に毒づく(2)

仮装大賞でもう1つ腹が立つのは、子供をダシにした作品。アイデアとか完成度とかではなく「子供がやっているからかわいらしい」ことを前面に出している作品を観ると、それを考えた大人の魂胆が見えてダメなのである。

別に子供を使うのがダメなわけではない。子供たち自身が作品づくりの意志を持ってやっているとか(学校のクラスが先生の指導のもとでやっている場合などはそう思えることが多い)、あるいは体の小ささ・体重の軽さを利用して子供に何かの役割を持たせるとか、そういうのなら全然腹は立たない。微妙なところではあるのだが、要するに大人が子供を見せるのではなく、子供にも普通に作品づくりに参加してほしいのである。

ハトヤさんの「投げヤリズム」の「知らないということは恐ろしい(2006/5/7)」で今回の仮装大賞の「大人にやらされている子供」のことを書かれている。激しく同意。ここで言及されている「お元気ですか〜」のところを私は観ていなかったのだが、状況はよくわかる。

若干意味合いが違うものの、もっと極端だったのは、何年か前の動物を使った作品だった。詳細は忘れたが、犬とか猫とか、いろんな動物がかわるがわる物を運んでいくというのがメインの作品。はっきりと「動物のかわいさ」のみで点を取ろうとしているのである。観客からは「かわいい〜」の合唱。私は激怒。「こんなもの合格させるな! ボタン押すな!」と叫んで、また家族のひんしゅくをかった。この作品についてはさすがに審査員もまずいと思ったらしく、審査委員長の藤村俊二が「こういう作品を上位にしていいものかどうかかなり迷いました」と言っていたのだが、結果は3位獲得。私はまたひとしきり毒づいたのだった。

だいぶ毒を出したが、あと1回つづく。