天才というのはいるもんだ。いやほんと。若きマンドリンプレーヤー、クリス・シーリの20歳にして3枚目のアルバムである。
ウルトラ忙しい仕事に配置されて、しばらくブルーグラスも他の音楽もほとんど聴いていなかった時期があったのだが、その間にクリス・シーリは彗星のごとく現れて(ではないのかもしれないが、私にはそういう印象だった)、すっかりメジャープレーヤーの仲間入りをしていた。遅ればせながらこのアルバムを聴いてぶったまげた。考えられないくらいうまい。
スポーツの世界でも、若い人が突然現れてそれまでの一流プレーヤーをやすやすと抜いてしまうことがある。イメージとしてはフローレンス・ジョイナーとかタイガー・ウッズとか。クリス・シーリはそんな感じがする。マーク・オコーナーの若いころもこんな感じだったのかな。
特に右手のピッキングが尋常ではない。まあ左手も普通ではないが。私も一応マンドリン弾きだが右手が下手なので、彼のピッキングは宇宙人のプレイに聞こえる。アルバムを聴いていると、どういうふうに弾いているのか全然イメージできないことがある。で、ライブのDVDで見てみると、なんかこともなげに弾いている。全くすごいものである。
でもこのアルバム、何度も聴いているとちょっと飽きてきた。テクニックバリバリの音楽は好きな方だが、それでもソロアルバムだとそれが際立ちすぎて疲れてくる。やっぱりすばらしいプレイはバンドサウンドの中で聴いてみたい。というわけで、今は彼のバンド、ニッケル・クリークの方のアルバムを中心に聴いている。
ところで、このエントリを書くために彼の生まれ年を調べてみて、誕生日が私と同じであることを知った。ちょっとうれしい。