- 作者: 西尾維新,竹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/04/15
- メディア: 文庫
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絶海の孤島に隠れ棲む財閥令嬢が“科学・絵画・料理・占術・工学”、五人の「天才」女性を招待した瞬間、“孤島×密室×首なし死体”の連鎖がスタートする。工学の天才美少女、「青色サヴァン」こと玖渚友とその冴えない友人、「戯言遣い」いーちゃんは、「天才」の凶行を“証明終了”できるのか? 第23回メフィスト賞受賞作。
「戯言遣い」いーちゃん独特の語り口や玖渚友(くなぎさ・とも)のキャラクターやその他もろもろが醸し出す雰囲気(イラストもそれを助けている)については、好きかと聞かれればそうではない。「戯言だよな…」の意味もよくわからない。しかしあらかじめなんとなく心の準備ができていたし、それほど読みにくいということもなかったので障害にはならず。
何より、ミステリーとして非常におもしろい話だった。トリックがよく考えられている。首切りものはこれまでだいぶ読んだように思うが、この作品には結構意表を突かれた。
それだけで十分満足ではあるのだが、「天才」を5人も登場させている割にはあまり活かせていないなとは思う。どの人も「天才」という感じがあまりしなかったし。どの分野でもいいから、そこに秀でた人に関する考察がもう少し何かあるとよかったのだが。ウンチクっぽいものも時々出てくるが、かなり薄い。
語り手である「いーちゃん」の名前は明らかになっていない。私は「そりゃ『西尾維新』だろう」と思っていた。「有栖川有栖」「二階堂黎人」と同じで、作者と同じ名前の人が語り手なのだろうと思ったのである。「維新」で「いーちゃん」。しかし調べてみるとそうではないらしい。
戯言シリーズの他の作品は...気が向いたら読むかもしれない。