ちきりんさんのブログには印象的なエントリがたくさんある。これは7年前のもの。
飲み会の支払いの際、たまたまAさんに持ち合わせがなく、同僚のBさんから千円借りました。
すぐ返すつもりが、多忙な日が続き、顔を会わせないまま1ヶ月が過ぎました。
期限も決めていないし催促もされなかったので、「忘れてるかな。今頃言い出すのもどうかな。たいした額じゃないし」と思っているうちに、そのままになってしまいました。
このことで、Aさんが得たのは「千円」、反対にAさんが失ったのが「信用」です。
このエントリの内容にはまったくもって同意。「信用」を得ること、「社会への貯金」をすることはお金を貯めるよりもずっと大事である。
ただ、この例でAさんが失ったものは「信用」だけではない気がする。他にも失ったものがある。名前をつけるなら「尊厳」とでも言うべきもの。
借りた金を返さないというのは人としての道義にもとること。そういうことをするたびに、人としての「尊厳」が失われていくように思う。これはBさんとの関係においてではなく、あくまでAさん個人の中でである。人としてのパワーが落ちていくイメージ。昔の人が「お天道様が見ている」と言ったのは実はこういうことではないか。
誰も見ていなくても、自分の尊厳を保っていよう。いつも公明正大でいこう。