- 作者: 山田正紀
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 1999/06
- メディア: 文庫
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
新宿駅西口地下通路で女性の切断死体が発見された。第二の殺人を示唆する匿名電話を受けて捜査陣は新宿駅西口に張り込む。囮捜査官の北見志穂も捜査に加わるが、眼前で同僚を殺されたうえ、容疑者とおぼしき女性も、死体となって発見される。だがそれは哀しき連続殺人の幕開けに過ぎなかった…。新本格推理小説の傑作シリーズ、ついに完結!
これまでの4作でえげつない展開には慣れていたのだが、これはまた別方向にえげつない。シリーズの結末がこういう形になるとは思わなかった。大団円、なのか? 最後のシーンでは筒井康隆の某シリーズを思い出した。
本作でもいくつものトリックが登場する。うならされたものあり、ちょっと納得のいかないものもありだったが、期待は裏切らない。ただ、志穂が「生まれながらの被害者」であるという設定がもともと私には今ひとつピンときていなかったせいか、本作では全体の流れに乗り切れなかった感がある。
解説を麻耶雄嵩氏が書いているのは注目されるところ。普段はあまり解説をまじめに読まないのだが、この解説は熟読した。「この作品(シリーズ)の不幸な点」として、残念だったところにも触れられている。