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続・ツイッターの「認証済みアカウント」は何を認証したことになるのか

ツイッターの「認証済みアカウント」について、読売新聞の記事が出ている。

140字以内の短い「つぶやき」をインターネットで世界中に送れる「ツイッター」。日本でも470万人以上が登録するなど利用者が急増中だ。
2日間に70件つぶやいた原口総務相など、ツイッターを駆使する政治家も登場しているが、一方で、ニセ者騒動も起きており、本人認証をどうするかが課題となっている。

YOMIURI ONLINE: ツイッター界、ニセ首相騒動も…認証追いつかず

昨年末のニセ鳩山由紀夫事件(もうはるか昔のような気がするな)や、大学のニセ代表アカウントによるトラブルについて述べたあと、以下のような情報が。

こうしたトラブルについて、米ツイッター社は件数を明かしていないが、なりすましの恐れがある有名人について本人の認証制度を設けている。本名とメールアドレス、公式サイト、登録名(アカウント)などをサイト上から送信し、認められれば画面上に「認証済みアカウント」と表示される。ただ、手続きが追いつかないのか、「数千単位の申し込みが積み残しになっている」状態だ。

数千単位でたまっているのか。実際には一般人の場合はどうやって認証するのだろう。前エントリでも書いたが、認証済みアカウントを(超有名人以外に)広めていくなら、それが誰なのかをプロフィール欄以外のところで示すしくみが必要だと思う。そうしないと、自分の情報で「認証済みアカウント」を取得したあとでプロフィールを書き換え、別人の「認証済みアカウント」になりすます奴が出てくるのではないか。

認証制度を複雑にするのが、日本のデジタル社の子会社が別の案内サイトだけで示す「ツイナビ公認」。同社が面会や電話で確認した有名人や企業などの計約2000件の登録を公認するが、「米ツイッター社の本人認証とは別」と言う。

これはツイナビの有名人アカウントのページのことだと思うのだが、ツイナビはツイッター公認サイトなので、「公式な認証」が2種類あるように見え、確かに話が複雑になっている。

ところで、「日本のデジタル社の子会社」って何? ツイナビの運営会社はCGMマーケティングというところのようだが、「日本のデジタル社」というのはその親会社の名前ではないよな。「日本にある、とあるデジタル関連の(?)会社の子会社(= CGMマーケティング社)」ということか(※追記: コメントで情報をいただいた。どうやら親会社のデジタルガレージ社のことらしい)。「別の案内サイトだけで示す」というのは多分「ツイッターのサイトとは別のツイナビというサイトで表示されている」という意味。わかりにくい文章。

原口総務大臣に関するくだりもわかりにくい。

2月末のチリ地震の際、津波情報など約70件をつぶやいた原口総務相の場合、認証も公認も受けていない。原口総務相は本人確認について「なかなか難しい」としながらも、「3か月ぐらい続けており、文章の息づかいなどで、違う(人物)とはなかなか思いにくい」との見解を示した。

「3か月ぐらい続けており」という部分から、これは原口大臣が自分自身のアカウントの本人確認のことを語っているのだと思われるが、「違う(人物)とはなかなか思いにくい」と自分で言ったというのは意味不明。しかも本人確認が「なかなか難しい」とも言ったことになっている。「@kharaguchiは間違いなく私のアカウントですよ」と言えるはずなのに。

大臣はもっと客観的に「私のアカウントは間違いなく私だと伝わっているとは思いますが、本人確認をちゃんとやっていくことは難しいことですね」と言っているということなのか。それならそうだとわかるように書いてくれないと。

ツイッターに関する新聞記事は、ブログやSNSに関する記事以上に「記者がよく理解せずに書いている」感が強い。