
- 作者: 小島寛之
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/08/01
- メディア: 新書
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第1部は「キュートな問題」として、解く気のそそられる問題が15問。解法としてはきちんと方程式を立てないといけないものも多いが、とっつきやすい題材を選んである。第2部は「ステキな解法の問題」として、解法のエレガントな問題が15問。スパッと一刀両断に解けるものが多い。どちらの部もねらい通りで、よい問題ぞろい。難点を言えば、解説の中に「著者の思い出」の記述がちょっと多いことぐらいか。
私には第2部の方がおもしろかったのだが、最も印象に残った問題を挙げるとするなら第1部のこの問題。
辺の長さが同じ正4面体と正4角すいがある。この2つの立体を正3角形の面で糊付けした。できた立体は何面体になるだろうか。
答は意外だったし、解説で紹介されている別のエピソードも興味深いものだった。
ついでに、dankogaiさんのブログで指摘されて著者のブログで返答がなされている以下の問題について。
ノーアウト・ランナー1、2塁。バッターが打った打球は、2塁と3塁の間の角を二等分する直線上を転がり、ショートはその球を2塁に最も近い位置で捕球した。さて、2塁に投げるべきか3塁に投げるべきか。
これは設定が不十分で、これだけでは1塁を含めてどこに投げるべきか決められないと思う。ツーアウトという設定にしてもそれは同じ。直接「2塁に投げるのと3塁に投げるのとどちらが近いか」と聞くしかないのではなかろうか。
あと、最初の「お試し問題」にある「お化けは誰だ?」。楽しい問題だったが、これは連立方程式を使わない方が簡単なような気がする。
誤植を2つ見つけた(初版第1刷)。
- P158 問題文: 「三角すい(4面体)の面積」 → 「〜体積」
- P168 下から8行目: 「k以下の平方数」 → 「n以下の平方数」 (だと思うのだが)